2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
 
**-- other side Five --**



「あっれ〜?モモハラくんじゃ〜ん!どうしたのぉ?こんなところでぇ」


考えようとしていた矢先、俺は聞き覚えのあるその声に思考を止められた。


パッと声のするほうを見ると、合コンのときのあの香水の彼女。


それから雪ちゃんにちょっかいを出していた、あのチャラチャラした男。


それと数人の取り巻き。
男女合わせて、総勢6人ってとこだ。


あのチャラい男を見たとたん、ヒデと雪ちゃんの顔が一瞬にして強(コワ)ばったのから推測すると、無理やりキスしようとしたのはコイツだってことだ。


「……ぐ、偶然」


俺は言葉を詰まらせながら香水のあの彼女に言った。


「ちょっとぉ〜、アタシたちも混ぜてよ〜」


そう言った香水のあの彼女は、相変わらず男に媚を売るような声と態度だった。


「ちょっと今日は……。内輪だけの集まりだから」


俺は、店の壁にもたれかかる彼女の前まで行き、小声で断りを入れた。


「えぇ〜っ?」
 

< 112 / 613 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop