2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- other side Five --**
「ほんとに今日は……」
“ゴメン”
ドンッ!
不意を突く彼女の腕に押されて、俺は最後まで言わせてもらえなかった。
「ちょっとあんた!」
彼女が見据えた先は、小峯栞。
小峯栞は、いきなり声をかけられて驚いた様子で香水の彼女の顔を見ていた。
「なにモモハラくんの隣に座ってんのよ!」
それは、今までの媚を売るような声とは正反対の、敵意むき出しの声で香水の彼女は小峯栞に食ってかかった。
「……」
小峯栞は、驚きすぎて何も言葉が出せないようだった。
ただ香水の彼女の目をじっと見て敵意むき出しの声に唖然(アゼン)としていた。
俺もヒデたちも、この急な展開についていけなくて、小峯栞のように唖然としてしまった。
「あんた、合コンのときの女でしょ!ムカツクんだよ、あんたの態度!“私はあんたらと違って安くないのよ”みたいな顔して!」
香水の彼女は早口でギャーギャーとわめき散らした。