2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
 
**-- other side Five --**



取り巻きたちは、その彼女に賛同するように小峯栞を笑った。


笑わなかったのは、小峯栞本人と俺たち3人だけだった。


店のこの一角だけ、ピィーンと張り詰めた空気が漂う。


「よく見たらキレイでもかわいくもなんでもないじゃん!そんなブサイクなあんたなんかがねぇ、モモハラくんの近くにいていいとでも思ってんの?」


香水の彼女はさらに声を荒げた。取り巻きたちも、さらに笑い声を高くした。


それはまるで小峯栞の存在そのものを否定するかのごとく、俺たちの耳に届いた。


「……」


そして小峯栞は、何も言葉を発さず、目を丸くするだけだった。


「あんたなんか死ね!死んじゃえばいいんだよ、あんたなんか!」


香水の彼女は、頬を高揚させて肩で軽く息をしながら言い放った。


ガタッ!


その言葉のすぐあと、小峯栞は無言で椅子から立ち上がった。


そして、取り巻きの1人に「どいて」と一言だけ言って、店を出ていってしまった。
 

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