2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
 
**-- Six --**



ワタシは、思い切った行動に出ようと思った。


胸を借りていた間に、桃原直貴になら少し甘えてみようという気になっていた。


「今日は帰りたくない」


思い切ってそう言ってみた。


「じゃあ、カラオケでも行く?」


少し戸惑う様子を見せてから桃原直貴は言った。


ワタシは首を横に振る。


「じゃあ……、朝までどっか遊びに行く?ゲーセンとか」


またワタシは首を横に振る。


「じゃあ、うーん……」


桃原直貴は困った笑顔で頭をポリポリかいた。


「ホテル。……ラブホ行こ」


ワタシは桃原直貴の頭をかいているほうの腕を取ってそう言った。


「はっ?」


当然、桃原直貴は驚いた。
ついでに1歩、後退りした。


「女が“帰りたくない”って言ったら行くとこ1つしかないんだから」

「お、おい……!」

「……お願いだからさ。今日だけだから」


ワタシはそう言って、桃原直貴の腕を引いて歩きだした。
 

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