2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- Six --**
クリスマス色に染まった街を抜けて、ワタシと桃原直貴は歩く。
ワタシは颯爽と。
桃原直貴はズスッズスッという靴を擦る音を立てて。
「小峯栞さん、あんたさ……」
ワタシを止めようとする桃原直貴の声に耳も貸さず、ワタシは歩いた。
少しすると、桃原直貴は諦めて抵抗しなくなった。
そして、クリスマス色とは違うネオンの色。
ワタシたちは大通りを何本か入ったラブホ街に着いた。
「ここ入ろ」
ワタシは適当なホテルを指して、桃原直貴を後ろに従えて中に入った。
クリスマスだけあって、部屋はほぼ満室。わずかに空室がちらほらあるだけだった。
ワタシは適当に部屋を選んで、また抵抗しはじめた桃原直貴を無理やり引っぱって部屋に入った。
「脱いで」
部屋のドアを閉めるなり、ワタシは桃原直貴に言った。
「ジャケットだけでいいから脱いで。ワタシも脱ぐから」
「……」
言われるまま、桃原直貴は無言でジャケットを脱いだ。