2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
 
**-- Six --**



桃原直貴には、今でもこれからも“ごめんね”しか言えなくなるだろう。


訳の分からないワガママを聞いてもらってごめんね。
自分勝手に怒ったり泣いたりしてごめんね。


困らせちゃってごめんね。
好きになっちゃってごめんね。


口が悪くてごめんね。
変なプライドがあって素直になれなくてごめんね。


先に死んじゃうけど、ごめんね?


神様がワタシに下した天罰。
1つだけ、体のことだけだと思ってた。でも、もう1つあった。


桃原直貴が好きだって気持ち、知らない間にワタシは落ちていた。


恋に落ちていた。


それに気づいたクリスマス。
桃原直貴に抱きしめられて、初めて知った本気の恋。


蝋燭の火が消える前に、この気持ちに気づけただけでもよかった、ワタシ。


ワタシは、死ぬ寸前まで桃原直貴を想って逝ける。


雪もヒデに頼んだし。
桃原直貴の友だちなら、きっとヒデは雪を大切にしてくれる。


だって桃原直貴、あなたはそうだから……。
 

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