2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- other side Six --**
今日の小峯栞は涙もろかった。
あの香水の彼女に言われた一言が相当ショックだったんだろう。
あんなに大泣きする小峯栞は、俺には想像できなかった。
いや、想像すらしていなかった。
俺のイメージの中の小峯栞は、つっけんどんだけど憎めないかわいらしい女性。
年下の俺にあれこれつっかかるようなことを言うのは、年上ならではの“プライド”?……なんじゃないかと思う。
男の俺には、まして年下の俺には理解しづらいことだけど。
もう、好きになっちまったらこっちの負けだ。
どんなに無理難題なことでも、小峯栞が望むなら俺はなんとかその望みに応えたい。
惚れた弱みにつけ込まれたとしても、もう俺にはどうすることもできない。
小峯栞、姫様のなすがままに……って感じだ。
それくらい、この腕の中で弱々しく泣いている小峯栞を愛しいと思っている。
だから、小峯栞になんと思われようが、俺は想いを貫く覚悟があった。