2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
 
**-- other side One --**



――なんでこんなつまんなそうな顔してるんだ、この女(ヒト)は。


それが小峯栞の第一印象だった。最初は、合コンそのものが嫌でそんな顔をしてるんだと思った。


でも、それは違っていた。自己紹介もろくにしないで、隣の雪という友だちにあれこれ説明させて、自分はただ座っていた。


ただの高飛車(タカビシャ)な女なんだと思った。
そういう女は俺は大嫌いだ。その高い鼻をボキッと折ってやりたくなるんだ。


でも、その考えも間違っていた。あの席でふと見せた顔が、思い詰めた顔に見えた。


他の奴らはどう思っていたかは知らないが、俺にはそう見えた。


これでも小学校の先生を目指していたんだ。そこら辺の人とは見る目が違う。


別に自慢じゃないが、教育実習で行った学校で、イジメを見つけて解決したことがあった。


だから俺は“教師の勘”で特別に小峯栞が気になった。


雪という友だちは、その表情に気づいているんだろうか。もし気づいていなかったらそれは大変だ。
 

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