2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- other side Six --**
小峯栞は、俺じゃなくても誰でも言えるようなセリフを受け入れてくれた。
正直に言うと、雪ちゃんでもヒデでもなくあの彼でもなく、俺に心を許して頼ってほしかったけど。
道の真ん中で慰めるのは目立つし俺の顔は丸見えだし、顔から火が出るくらい恥ずかしかった。
小峯栞の顔は見えないけど、俺は背が高かったから。
目もいいからいろんな人の顔が見えたんだ。
――せめて目が悪かったらもうちょいいいんだけどな。
なんて考える自分もいたりした。
でも、やっぱり一番は小峯栞を守ること。
さっきの香水の彼女とは比べものにならないくらい小さなことだけど、俺が盾になって守りたかったんだ。
しばらく泣くと、小峯栞は「だいぶ楽になった」と言ってくれた。
それだけで俺は満足だった。
それだけで、俺が胸を貸した価値があったと感じてうれしかった。
このあとは、部屋まで送って俺も家へ帰るつもりだった。それが一番いいと思っていた。