2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- other side Six --**
あれよあれよという間に、俺たちはラブホ街に着いてしまった。
小峯栞は行き慣れているのか、ホテルを選ぶときも部屋を選ぶときも即決だった。
その姿が、俺には一生かかっても分かってやれない悲しい部分のように感じて切なかった。
部屋に入って小峯栞に抱きつかれたときも、俺はどうしたらいいか分からなかった。
俺の信念は、好きな人としかしないことだ。
俺はもちろん好きだけど、小峯栞は俺のことを好きじゃないかもしれない。
好きじゃない相手としたって、小峯栞が後悔するだけだ。
もしかしたら、誰でもいいから一晩だけ、とか思っているかもしれない。
――俺にだってプライドくらいある!まだ好きだって告白してないじゃないか!
「……俺は、つき合ってもない人とそんなことはできない」
そう言って、小峯栞の体を俺から離した。
そして「帰ろう」と静かに促したんだ。
――何か訳があるなら聞かせてくれよ、お願いだから……。