2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- other side Six --**
俺の気持ちが通じたのか、それから小峯栞は泣きながら訳を話してくれた。
「男の人に朝までいてもらったことないから」
「なるほど」
「自分で電気つけなきゃならない部屋に帰りたくないから」
「……なるほど」
――淋しかったんだ……。
小峯栞の言葉が抜けない槍のように心に深く刻まれる。
そうだよな、あんなこと言われたあとに1人でなんていられないんだよな。
暗い部屋になんか帰りたくないんだよな。
……誰かにそばにいてほしいんだよな。
「もういいから。大丈夫だから泣くな」
俺は間違ってた。
小峯栞は強いんだと、勝手に決めつけてたんだ。
本当はそんなわけないのに。
さっきあんなに泣いてたじゃないか、自分で立てないくらいショックを受けてたじゃないか。
――分かってやれなくてごめん。分かろうとしてなくてごめん。
俺は心の中で何度も“ごめん”と謝りながら、小さな小峯栞の体を抱きしめた。