2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
 
**-- other side Six --**



今だってこれからだって、俺は小峯栞に踊らされるだろう。


小峯栞の手の中で、あっちに行っては戻され、こっちに行っては戻され。


でもそれが小峯栞が望むことならいいんだ。


だって俺は戻ってこれる。
小峯栞の心の真ん中に戻ってこれる自信がある。


いつでも俺のコンパスは小峯栞に向いているから、見失うわけがないんだ。


コンパスが壊れたってかまうもんか。俺には“野性の勘”だって備わっているんだ。


だから心配しなくていい。
“今日だけだから”なんて言わないで、明日も明後日もずっと先の未来だって、淋しいときは遠慮なく俺を呼んでくれ。


今日みたいにそばにいてほしいときは、いくらでもそばにいてやるからさ。


――好きだ……。


もう少ししたら、好きだって言わせてくれないか。


今日言ってしまったら、俺の理性は本能に負けちまうからさ。


今日は小峯栞の都合のいい男になってやるよ。


小峯栞、お前が好きだから……。
 

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