2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- other side Six --**
「好き……なんだけど」
――はぁ〜!もう少ししたら言おうと思ってたのに……。
でも小峯栞は無反応。
本当に寝ているみたいだ。
規則正しい呼吸も変わらないし、ピクリともしない。どうやら深い眠りに落ちているようだ。
「……だ、だからさ、ゲームとか思わないでほしいんだ」
「……」
「俺、栞のゲームのキャラにはなりたくないからさ」
――栞って呼んでしまった!
その時、俺の手に温かな涙が落ちた。そして、小峯栞は俺のほうにゆっくり向きを変えて向き合う形になった。
寝ているのか寝ていないのか、そんなのもうどっちでもよかった。
俺は力いっぱい小峯栞を抱きしめた。優しい香りのする香水と、ほんのり香るシャンプーの匂いに包まれて、それだけで俺は幸せだった。
クリスマスの日、ラブホで俺は小峯栞に告白をした。
返事はまだ聞いてないけど、栞も俺が好きだよな?
そう自惚れさせてくれ、今日だけは……。