2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
 
**-- other side Six --**



「好き……なんだけど」


――はぁ〜!もう少ししたら言おうと思ってたのに……。


でも小峯栞は無反応。
本当に寝ているみたいだ。


規則正しい呼吸も変わらないし、ピクリともしない。どうやら深い眠りに落ちているようだ。


「……だ、だからさ、ゲームとか思わないでほしいんだ」

「……」

「俺、栞のゲームのキャラにはなりたくないからさ」


――栞って呼んでしまった!


その時、俺の手に温かな涙が落ちた。そして、小峯栞は俺のほうにゆっくり向きを変えて向き合う形になった。


寝ているのか寝ていないのか、そんなのもうどっちでもよかった。


俺は力いっぱい小峯栞を抱きしめた。優しい香りのする香水と、ほんのり香るシャンプーの匂いに包まれて、それだけで俺は幸せだった。


クリスマスの日、ラブホで俺は小峯栞に告白をした。


返事はまだ聞いてないけど、栞も俺が好きだよな?


そう自惚れさせてくれ、今日だけは……。
 

< 137 / 613 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop