2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- another side Six --**
「あ〜、派遣の仕事で」
「うん。だからさ、ちょっとは分かってるつもりなの、栞ちゃんのこと」
「ちょっと?」
ヒデくんはまた不思議そうな顔をした。
「あたしは友だちだって思ってるんだけど、栞ちゃんはどう思ってるか分かんないとこあってさ」
「ふ〜ん。俺も直貴がなんで俺と友だちやってくれるか未だに分かんねぇんだけど。それと別?」
「どうかな。男の友情と女の友情は違うから」
「何が違うか分かんない」
ヒデくんは即答だった。
あたしにだって違いは分かんないけど、少しは考えてくれてもいいじゃん。
「はぁ……、おめでとう、ヒデくん」
「何が?」
「クリスマス」
「メリークリスマス!」
ヒデくんはニカッと笑ってそう言った。
――“おめでとう”なのはヒデくんの頭だっつーの!
「おやすみ」
「ちょっと……、今日はしないのかよ?」
「生理!」
あたしはヒデくんに八つ当たりしてしまった。