2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- other side One --**
だいたいの傾向として、誰にも相談せず自分の中で無理に解決しようとする。
親が気づけば、解決の扉は開かれる。しかし子どもは親に心配をかけまいと隠すんだ。
いっぱいいっぱいのところで耐え続ける。人の心につけられる傷はその本人じゃないとどこまで深いかは分からない。
悲しみや苦しさ、辛さは、例え親であっても一生理解してあげられないものなんじゃないかと思う。
でも、話してもらえれば本人も親も心が軽くなれる。
心配してくれる人が近くにいる、味方になってくれる人がいると、そう思うだけで・そう伝えるだけで、瞳に力が戻る。
俺は、小峯栞の場合もそうだと確信していた。あの短い間の合コンの席で、俺は分析をしたんだ。
思い詰めた顔をした人は、俺が想像する以上のことを言ったりしたりする。“最悪の場合”のことだって十分にありえる。
そうなった人のことを、俺は知っているから……。
だから俺は、放っておけないと思ったんだ。