2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- Seven --**
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次の日の朝、ワタシたちは何も言わずにホテルの前で別れた。
何かしゃべってしまったら魔法がとけてしまう。
なんだか分からないけど、そんな気分だったから。
ワタシはこれから病気とつき合っていかなきゃいけないんだ。
桃原直貴とつき合えるほど、ワタシは暇じゃない……。
昨日の夜のうちに、ワタシはそう心の整理をした。
簡単に整理がつくものじゃないけど、時間が経てば、ワタシが死ぬまでには、なんとかなりそうだ。
ううん……、なんとかしなきゃいけないことだから。
だからワタシは、桃原直貴を振り返っては見なかった。
見たら泣いちゃいそうだから。
見たら魔法がとけちゃうから。
病気だけでも苦しくて辛いのに、桃原直貴を好きでいることなんてワタシにはできない。
ワタシは桃原直貴への想いを捨てることにした。
かろうじてまだ“ゲーム”は動くから、最後の“ゲーム”を思いっきり楽しもう、そうワタシは決めた。