2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- Seven --**
帰り道にふらっと寄ったコンビニで、ワタシは少しの食物と1冊のノートを買った。
忘れないうちに昨日のことを書き留めておきたくて。
昨日の思い出だけでこの先十分生きていけるくらい、ほんとに幸せな時間だったから。
忘れる前に、どうしても何かに残しておきたかったんだよ。
部屋に帰ると、ワタシはさっそく派遣会社の担当者に会社を休むと連絡を入れた。
あと2日もすれば正月休みに入るから、どうってことない。
ワタシが休んでいる間も会社は動くし時間も動く。
たぶん、もうすぐ会社を辞めなきゃいけなくなるから、顔や名前をしっかり覚えられなくて都合もよかった。
――入院したら住むとこなくなっちゃうな……。
ワタシは両親がいなくて施設育ちだったから、実家というものとは縁がなかった。
ざっと部屋を見渡してみる。
残せるものも、誰かにあげられるものも、ワタシは持っていない。
入院するときに必要なものは旅行カバン1つで足りそうなくらいだった。