2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- Seven --**
『小峯栞さん』
これで3回目。
この日、夢の中でまた沼の精に会った。
「あれ、金の斧とか銀の斧は?」
『何度もお伺いする方の夢へは言わなくてよくなりました。改善策です』
「そう」
『ええ』
沼の精は複雑そうな顔をしてワタシをじっと見つめている。
「あの、蝋燭。蝋燭は持っていないのですか?」
蝋燭を持っていないことに気づいたワタシは、会話が途切れるのが嫌で聞いた。
『あなたは私を信用なさっています。持つ必要はございません』
「へぇ」
知らず知らずのうちに、どうやらワタシは沼の精を信用していたみたいだ。その一言で気づいた。
『……さて小峯栞さん、私がここへ来た3回目の理由、ご存知ですよね?』
沼の精は切ない顔をして聞く。
「分かっています。ワタシの命はあとどれくらいですか?」
ワタシは淡々と聞く。
『……知ってどうなさるおつもりですか?』
「ただ覚悟を決めておきたいだけです」