2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- Seven --**
『ええ。世界中の方の夢へ出向きます』
「だったら、その中にはノリツッコミが好きな人もいるかもしれないし、ギャグが好きな人だっているかも……」
『小峯栞さん』
沼の精はワタシの言葉を割って、神妙な顔つきになってワタシの名前を呼んだ。
「……」
ワタシは言葉が出なかった。
『あなたの親しい方たちには何と説明するのですか?』
沼の精は“これが本題だ”と言わんばかりにワタシに聞いた。
「……」
ワタシはまた言葉が出なかった。
『あなたの生い立ちは存じ上げております。1人で立ち向かうのには、あなたはまだ十分ではありません……』
「……じゃあ、ワタシにどうしろってのよ!今まで真面目に生きてこなかったワタシがいけないんじゃん!神様からの天罰なんだからワタシ1人で十分よ!」
沼の精に大声を張り上げたワタシは、ハァハァと荒く肩で息をしていた。
『友人も、好きな方も、あなたは捨てられるのですか?』
「……帰って!」