2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- Seven --**
『そう簡単に捨てられないからノートに』
「もういいから帰って!ワタシだって分かってるよ、矛盾してることくらい。だからってどうにもならないでしょ?」
ワタシは夢の中でも泣いた。
昨日から泣きっぱなしなのに、夢の中くらいは泣かずにいたい。
『……少しの思い出だけで生きられるほど、この先は甘くはありません。ですから私は少しでも安らかにと』
「もう、ほんとにいいから……」
沼の精は、今日はこの前とは違って1歩も退かなかった。
『あなたの人生ですので強要はできませんが、それでも最期の時まで誰かと、心を許せる方と共に生きることもできるのですよ?今ならば……』
「……お願いだから帰って」
沼の精の言葉がズンズン心に刺さってくる。
今さらどう生きたって、結局ワタシはあと1年。
それならワタシは、今を捨てて思い出の中で生きたいの……。
『どうかご自分に正直な生き方をなさってください。よい夢を』
そのあと、ワタシは泣きながら目を覚ました。