2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- other side Seven --**
――雪ちゃんごめん。君は撃沈なようだよ……。
「そう。雪ちゃんかわいそう」
サラッと簡潔に言う栞に、俺は雪ちゃんがかわいそうになってしまった。
「じゃあ中入る?」
栞はそんなことを気にする様子もなく俺に聞く。
「あ、いや……、カウントダウンならどこでもできるし違うとこ行かない?」
――ヒデ、雪ちゃん、ごめん。栞と2人きりになりたいから消えるわ。
俺は栞に提案した。
「別にいいよ?雪たちとは別行動にしよ」
栞は俺の提案に乗ってくれた。
それから俺たちは、人の流れに逆らって神社を離れていった。
ヒデには歩きながらメールで断りを入れておいた。
返ってきた返事には「あとで報告すること!」と書いてあった。
俺はケータイと両手をジャケットに突っ込んで、栞の歩幅に合わせて隣を歩く。
右手にはあのプレゼントの感覚。
絶対、今日渡すんだと心に決めてそっと握った。