2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- Eight --**
ズリッ!
ドテッ!
「っ痛ったぁ」
ろくに足元も見ないで直貴の背中ばかり見ていたから、雪が溶けて濡れた草で滑ってしまった。
お決まりのパターンで、しりもちをついたお尻は鈍くズンズン痛み滑った拍子に右手の手の平を少し擦ってしまった。
「おい!大丈夫か?」
直貴はワタシのもとへ急いで駆け寄ってきてくれた。
「う、うん。ちょっと滑っただけだから」
そう言って、ワタシは1人で立ち上がろうとした。
「いいから。体預けて」
「……」
直貴のその言葉に言葉が出ないワタシ……。
次の瞬間、ワタシの体は宙に浮いたみたいに軽くなって、あっという間に直貴に支えられて立ち上がっていた。
「また“1人で立てない女じゃないから”とか寂しいこと言うな、少しは甘えろよ。な?」
呆然とするワタシに、さらに直貴は甘い言葉をかけて、ワタシを魔法の世界へと連れていく。
「……」
ワタシはまた言葉が出てこない。