2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- Eight --**
「し……栞は俺より年上だけどちゃんと女なんだ。女を守れない男は最低だ。……と俺の父ちゃんが言ってた」
直貴は、照れてしどろもどろになりながらそう言った。
――“栞”って名前で呼びたかったんだね、直貴。
「……ぷはっ!」
あまりにもその仕草と言葉がかわいらしくて、ワタシはこらえきれずに笑ってしまった。
「笑うなよ、恥ずかしいから」
「ははっ……!」
そう言った直貴もすごくかわいらしくて、また笑ってしまった。
「笑うなよ〜!恥ずかしいったらねぇよ……。あっ!今俺見て笑ってるよねぇ?」
「あ!」
直貴の一言で、ワタシは直貴の前で笑っていたことに気づいた。
今までは怒っているか泣いているかのどっちかだったのに、2人きりのときにワタシはちゃんと笑えていた。
「笑うとかわいい。その顔が一番好き、俺」
「……あ、ありがとう」
直貴に“かわいい”“好き”と言われて、ワタシは小さな声で素直に“ありがとう”と言えた。