2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- other side Eight --**
頭がおかしくなりそうだ。
俺の気持ち、気づいてくれたんじゃないのかよ。
後ろを見ると、暗い中に桜の木が俺を黙って見下ろしている。
前を見れば、どんどん小さくなっていく栞の後ろ姿。
どっちも見ていられなくて、俺は上を見上げた。
いつの間にか雪は止んで、小さな星がキラキラ瞬いていた。
今までほとんど意識して星を見たことがなかった俺は、星って本当に瞬くんだなんて思いながら、じっと星だけを見ていた。
表面張力を使って涙をこぼさないように頑張ってみたけど、コップから水がこぼれるように俺の目からは涙が溢れてくる。
手に持ったコンビニの袋には、冷めきった肉まんと缶コーヒー。
ポケットの中には、今日渡すはずだったクリスマスプレゼント。
どうしようもなく鳴り止むことのない胸の痛みは、誰かが地雷を踏みならしているかのように続く。
俺の一世一代の告白は、シンデレラにかかった魔法がとけるようにスーッと闇に消えていった。