2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- other side Eight --**
俺の様子がおかしいと感じたヒデにおかしいと感じたのか、雪ちゃんも笑い声が止まって静かになった。
「……ヒデ……俺……、最高の年明けだよ……あけおめ〜」
俺は溢れ出る涙を右腕で一生懸命ぬぐいながら、精一杯の強がりでそう言った。
「……今から行くから。雪も連れて行くから。どこにいる?」
ヒデはただならぬ雰囲気で早口で聞いた。
「……家」
「分かった!」
『ブチッ!ツー、ツー……』
ヒデはそう言って電話を切った。俺はベッドに仰向けになったままその電話が切れた音をただ聞いていた。
・:*:・゚'★,。・:*:・゚'☆・:*:・゚'★,
『ピンポーン!ピンポーン!』
しばらくすると、家のチャイムがせわしなく鳴った。
ガチャッと玄関が開く音がして、ダンッダンッダンッと階段を踏みならして上ってくる2つの音が聞こえた。
俺は出迎えることもできず、さっきの格好のままベッドに寝転がっている。