2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- other side Eight --**
「直貴!」
俺の部屋の前で足音が止まると、ノックもせずにヒデと雪ちゃんが入ってきた。
「ノックくらいしろよ」
俺は、なんだかダルい体をムクッと起こして2人に言った。
「なんてこった、撃沈って顔してんな」
ヒデの第一声はこれだった。
「ごめんなさい、あの……、あたしたちが急かしたから」
雪ちゃんの第一声はこれ。
「いいよ。2人が悪いわけじゃない。決めたのは俺だからさ」
俺はそう言って、力なくフッと笑った。
「下でお袋さん心配してたぞ」
「なかなか下りてこないって言ってましたよ」
ヒデと雪ちゃんの言葉。
でも俺は腹も空いてないし体がダルいんだ。
「そう」
母さんに“ごめんな”と思いながらそう言った。
そして、2人に“適当に座って”とジェスチャーでクッションやらカーペットを指した。
それを見ると、ヒデと雪ちゃんは無言でカーペットとクッションにそれぞれ座った。