2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
 
**-- other side Eight --**



席についたはいいけど、3人とも沈黙。言葉がさっぱり出てこない。


「……直貴」


気遣わしげな小さな声でヒデが俺の名前を呼ぶ。


「……もういい。疲れたよ、俺。考えても考えても分かんねぇんだもん、諦めるしかないっしょ」


俺はベッドの正面の壁を見ながら言った。


「いいのか?」


ヒデが聞く。


「あんな訳の分からん女のことなんてもう関係ない。関わりたくないんだよ、小峯栞とは。ゲホッ、ゲホッ」


昨日の夜、寒いところにずっといたからカゼをひいたみたいだ。


関わりたくないと言ったあと、咳が出てしまった。


「カゼひいたのか?」


またヒデが聞く。


「具合悪いから悪いけど帰ってくんないかな。うつすと悪いし」


俺は刺々しくヒデと雪ちゃんに言った。


「……桃原さん、あたし部屋に行きたいんです。どこか知りませんか?あたし引っ越し先知らないんです」


雪ちゃんは、申し訳なさそうに俺に尋ねる。
 

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