2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- other side Eight --**
「あー、どこ通ってきたか分かんないけど、家を出て左の道を5分くらい真っ直ぐ歩いたとこのボロアパート。2階の201。階段を上がってすぐの部屋だから」
雪ちゃんには悪いと思ったけど、俺はめんどくさそうに言ってしまった。
「分かりました、ありがとうございます」
雪ちゃんはそう言って、ヒデを残して早々に部屋を出ていった。
この部屋の中には、むさ苦しい男2人が残ってしまった。
「ヒデ、お前も帰れよ。こんな顔誰にも見せたくない」
「あ、いや……、雪から聞いた話なんだけどさ、栞さん、ずっと不倫してたんだって。もしかしたら直貴に悪いと思って身引いたとか……」
ヒデはそう考えを述べた。
「不倫は知ってる。電話でその相手と偶然話したこともある。だけどヒデみたいな考え方は……どうかな」
「じゃあ、これも雪から聞いたんだけど、クリスマスのときのあの泣き方、雪は普通じゃなかったって」
ヒデは食い下がる。
俺は今、何も考えたくないのに。