2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
 
**-- Nine --**



何分後かにワタシはなんとか気を取り直し、体を起こしてペンを持ち直す。


そして、昨日のことを反芻(ハンスウ)するようにゆっくりゆっくり記憶をノートに記録していく。


昨日書いたノートの続きにはこう書いた。


゚*,。,*゚*,。,*゚*,。,*゚゚*,。,*゚*,。,


夜10時半。
ワタシは雪が指定した通りの時間と場所へ行った。


でもそこには直貴しかいなくて、ワタシは雪とヒデにハメられたことを知った。


それもかえって都合がよかったのかもしれない。


雪とヒデに会えなかったのは残念だけど、直貴と最初で最後のデートができたから。


神社には入らず、ワタシと直貴は人ごみに逆らって歩いた。


しばらく歩くと、この前直貴が見せたいと言ってた木に着いた。


そこはとても幻想的な場所で、最後のデートにはもってこいだった。


直貴はそこで『花咲かじいさん』と弟の話をしてくれた。


きっと話したくないことだったろうに、直貴はちゃんと話してくれた。
 

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