2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- Nine --**
直貴はこんなワタシに対しての覚悟を見せてくれた。
すごくうれしかった。
重いだなんて思ってないよ。
だけどワタシも直貴の弟のようにそのうち死んでしまう。
だからワタシは、直貴のそばにはいられない。いちゃいけないんだよ。
ワタシのこと、いっぱい嫌いになって早く忘れてね。
ワタシにできるのは、それくらいしかないから。
でも、もしワタシの願いを聞いてくれるなら、ワタシの灰も直貴の弟のそばに撒いてほしい。
だっていっぺんにお参りができるでしょ?それに、直貴が大切に思っている木なら忘れられることもないかと思って。
嫌だね。
忘れてほしいって書いたり、忘れないでって書いたり。
一体どっちなんだろうね、ワタシの気持ちって。
でも、ワタシは忘れないから。
ベンチで飲んだお茶の味も、直貴に持ち上げられた感覚も。
直貴のこと、絶対に全部忘れないからね。バイバイ。
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