2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
 
**-- other side Nine --**



雪ちゃんに栞の部屋を教え、ヒデにさんざん怒鳴り散らされた挙げ句に樹紀のことまで言われた俺は、そのあと熱を出して正月休みを丸々ベッドの上で過ごすことになった。


ヒデからも雪ちゃんからも、もちろん栞からだって何の連絡もない。


かといって、俺から連絡を取るなんて惨(ミジ)めでカッコ悪くてできなかった。


大学時代から仲の良かったヒデとは、これが原因で疎遠になるかもしれない。


身も心も弱っていた俺は、マイナス思考の天才になったみたいに悪いほうへばかり考えていた。


一度、ヒデが帰ったあとしばらくして雪ちゃんがまた家に来たらしいけど、そのとき俺は夢の中にいたから会えなかった。


目が覚めたときに部屋に特大のプーさんのぬいぐるみが置いてあって、母さんに聞いたら雪ちゃんが持ってきたと教えてくれた。


モノトーンで統一された俺の部屋には似つかわしくないものだったけど、なぜか見ると安心したりもした。


でも、雪ちゃんの取った行動の意味は分からない。
 

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