2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
 
**-- other side Nine --**



「あたしの考えすぎだとは思うんですけど、噂であんなこと聞いたあとだったから余計に……」

「そう……だね」


――そんなことがあってたまるかよ。


「でも栞ちゃん……、様子がおかしいし……」

「うん……」


――ふざけんな、あの野郎。


「あたし、心配で心配で……」

「うん。ヒデには?」

「しばらくは2人の話聞きたくない、って言われて。まだ……」


――ごめん雪ちゃん、1人で悩んで辛かっただろうに……。


「雪ちゃんは心配しないで。明日ちゃんと会社の話聞いて、ヒデの機嫌が直ったら話せばいいから」

「はい」


俺はそう雪ちゃんに言ったけど、半分以上は自分に言い聞かせていた。


「話してくれてありがとう。これからちょっと行ってみるから」

「栞ちゃんのところに?」

「うん。会えるかどうかも分かんねぇし、会っても話してもらえるかどうかも分かんねぇけど」

「はい」

「じゃあ」

『ブチッ!』
 

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