2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- Eleven --**
「ソックスちゃん、君はワタシの病気、知ってる?」
ソックスちゃんは右耳をピクッと動かした。
「エイズなんだってさ。ワタシの夢に妖精みたいな人が出てきて、あと1年くらいしか生きられないって、そう言われたんだ」
ソックスちゃんはまた右耳をピクッと動かした。
ワタシの声に反応してくれているのがたまらなくうれしい。
「少し触ってもいい?」
ワタシはソックスちゃんに聞いてみた。そばにいるからといって警戒心がないわけでもないだろうし、いきなり触ったら逃げられるかもしれない。
もう少しソックスちゃんにそばにいてもらいたかった。
「ニャー」
ワタシが聞くと、ソックスちゃんは“どうぞ”と言うように鳴いて、ワタシを見て目を細めた。
「ありがとう。優しいのね」
ワタシは泣きながらソックスちゃんに少し笑いかけた。
ソックスちゃんは、ワタシが背中に触ると尻尾を左右にゆっくり振った。
それがワタシには、すごくうれしかった。