2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- Eleven --**
それからワタシは、ソックスちゃんにいろんなことを話した。
ソックスちゃんは、ワタシが頭や喉を撫でてあげるとすごく気持ちよさそうな表情になった。
こんなワタシに心を開いてくれたと、そう感じる時間だった。
ワタシに体をすり寄せたり、ベンチに戻るときも後ろをテクテクついてきてくれた。
お茶を買うとき、なんだか1つだけじゃ申し訳ないと思って、一緒に菓子パンを買ったのを思い出してソックスちゃんにあげたりもした。
ソックスちゃんと一緒にベンチに座って、いろんなことを話しながらワタシはずっと桜の木を見ていた。
何時間くらい経った頃だっただろうか。
陽が落ちてきて空気がさらに冷たくなってきた頃、土手の上のほうで車が止まる音がした。
ワタシはそれを気にも止めず、ソックスちゃんの背中をゆっくり撫でていた。
その車の人は、中から出るときにそこら中に響き渡るくらい激しい音でドアを閉めた。
その音でソックスちゃんは体をビクッと丸め、ワタシは肩が反射的に上下した。