2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
 
**-- Eleven --**



「俺、栞の攻略法が分かっちゃったんだ」


直貴はワタシの手を握って静かに優しく言った。ワタシは直貴に顔を向ける。


「雪ちゃんから教えてもらったんだけどさ、栞はあまのじゃくだって」

「……それとどういう関係?」


ワタシは直貴が言う意味がよく分からなかった。


「じゃあ質問いい?」

「?……いいけど」


ワタシはまたその意味が分からなかった。


「この前“魔法はとけた”って言ったけど、あれってほんと?」


直貴はワタシにニッコリとほほ笑みながら聞く。


「ほんと……だけど」

「じゃあ次。雪ちゃんは友だちですか?」


――もう関わらないほうが雪のためになる。


「友だちじゃないよ」


ワタシは、そう嘘をついた。


「じゃあ次。ヒデは正直言うとウザい?」

「ウザい」


ワタシは、直貴がどんな意図でこんな質問をするのかがいまだに分からない。


「じゃあこれで最後。俺のこと、好き、嫌い、どっち?」
 

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