2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
 
**-- Two --**



「あと10分程度で伺いますので、よろしくお願いいたします!」

「はい、よろしくお願いします」

「失礼します!」

「失礼します」


――あれ。今の声、どっかで聞いたような気が……。


半分夢の中で話していたから、電話を切ったあとにそんなことを思った。


でも、ワタシ自身聞いたことがあるのかないのか、記憶が定かじゃない。


――あと10分って言ってなかったっけ?


ワタシは、記憶のことよりこの飲み散らかした部屋のほうに意識を集中しなければならなくなった。


狭い部屋だ。荷物を運びだすときにこの状態に気づかないほうがおかしい。ワタシは急ピッチで後片づけを始めた。


ピンポーン。
とその時、なんと部屋のチャイムが鳴ってしまった。


「『ニコニコ引っ越しセンター』です。お荷物をお預かりに来ました!」


――うそ……。もう着いたの?


「は、はーい」


――電話してから5分だって経ってないよ……。
 

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