2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
 
**-- other side Eleven --**



俺も相当焦っていたから、栞が行きそうな場所のランク付けができていなかった。


あのコンビニを通り過ぎたとき、何時間もかかってやっと、川原にいるんじゃないかと閃いた。


そのときはもう夕方で、辺りに闇が落ちはじめていた。


そして……。
そして俺は、車の中から栞がベンチに座っているのを見つけた。


無我夢中だった。
どこもケガはないだろうか、気は確かだろうか、変なことを考えているんじゃないか……。


夢中で車から降りて、土手を駆け下りていた。


栞の正面に立つと栞は俺の顔を見てふにゃふにゃと表情が崩れた。


誰かにすがって泣きたいだろうに栞はずっと我慢していたんだ。


栞は本当に強い。
だけど、その強さはこういうときに使う強さじゃない。


栞は強さには使い時っていうものがあるのを知っているだろうか。


何もかもを捨てて1人で立ち向かうのは、強いからできることじゃなくて、弱いからすることだ。栞にそれを分かってほしい。
 

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