2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
 
**-- other side Eleven --**



イジメられてた女の子にも言ったことがある。


―『1人で考えたってうまくいかないことがある。そうなったらどこにも逃げる場所がなくなってしまう。君が心を許せる誰かに助けを求めるのは、カッコ悪いことなんかじゃない。出口を見つけたいと思う心があるからなんじゃない?ちゃんと言わないと分かってもらえないことだってあるんだからね』―


それからその子は、クラスのみんなの前でも親の前でも俺の前でも、ちゃんと自分の気持ちを話すことができた。


気持ちを全部汲み取るのは人にはできない。それは1人1人が違う人間だからだ。


いくら自分と他人が違うといっても、考えたり協力したり助けたり……。


そういう人と人同士の“違いの認めあい”が大事なんだと、俺は教えてきた。


だから栞にもちゃんと分かってもらいたいんだ。


この強さは強さじゃないってことや、寄り添ってくれる人がいるってこと、大事に思ってくれる人がいるってことを。


泣きたいときには俺が必ずいるってこと。
 

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