2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- other side Eleven --**
栞は今、そんな畑の肥やしにもならないプライドと決別したんだ。
これからは自分にプライドを持って生きればいい。
そうしよう、栞。
俺も雪ちゃんもヒデも、そんな栞を離したりはしない。離れたりなんかしない。
栞が声を上げて泣いていたとき、俺も本当は泣きたかった。
でも栞は、俺が泣いたら“もう大丈夫だから”とか言って泣き足りないのを我慢するかもしれない。
だから俺は泣かなかった。
だから俺は、栞の前ではもう泣かないと決めた。
やっと気持ちがつながった。
体なんかつながったって好きだということにはならないだろう。
栞が求めるのはそこなんじゃないかと思う。
ヒデたちみたいにはできないかもしれないけど、これが俺たちの“好き”の形だ。
きれいな形じゃないか。
世界中のどんな恋人たちよりもきれいな形じゃないか。
樹紀、お前にできなかったことを俺は栞に全部してやろうと思う。
だからここで見ていてくれ……。