2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- other side Eleven --**
帰りの車の中で栞は「続きが聞きたい」と言っていたけど、俺はもったいぶって言わなかった。
車の中で話すには、時間が足りなさすぎる。
もっとゆっくりしたところで、2人だけで聞かせてやりたかったんだ。
ヒデと雪ちゃんも待っていることだし、早く2人に栞を会わせなければという気持ちでいっぱいだった。
そして部屋に着くと、栞は車を降りるなり雪ちゃんに駆け寄って泣いた。
俺とヒデは、そんな2人を見てお互いのケツをパンパンと叩き合った。
これは、何かいいことがあったときや、お互いの成功を祝うときにやっていた、2人の間での儀式みたいなもの。
正月のときのわだかまりは、この儀式で雪解け。男の友情、復活。
抱き合って泣く2人を見ているとヒデは顔に似合わずもらい泣きをしていた。
その涙で、ヒデも心配でたまらなかったんだろうと感じて申し訳なかった。
ヒデには今まで以上にウザいくらいに頼らせてもらおう、不謹慎だけどそう思った。