2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- Twelve --**
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その日の夜、直貴はワタシの部屋に泊まることになった。
“大丈夫だから”と何度も断ったけど、雪とヒデに無理やりそうさせられた。
ワタシと直貴は強引に了承させられて、渋々“分かった”と頷くと2人はそそくさと帰ってしまった。
直貴は、車を戻しに行ってから部屋に上がった。
部屋に雪以外の人を上げるのは初めてだった。引っ越したどの部屋でも、ワタシは誰も部屋には入れなかった。
あの人だって前につき合っていた人だって、絶対に入れなかった。
割り切った関係を保つためと、余計な情を移したり移されたくなかったから。
雪は女同士だからまだ許せる範囲だっただけで、男の人には入ってほしくない領域だった。
ワタシの城、最後の砦(トリデ)みたいな感じだったんだ。
でも、もう必要ない。
ワタシには大事な友だちがいる、仲間がいる、直貴がいる。
一生分の“ありがとう”を言っても言い足りないくらい、ワタシはみんなに感謝している。
今、すごく幸せだよ。