2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- Twelve --**
「……何か食べる?一応、お酒も冷えてるけど」
緊張しながら、ワタシはクッションに正座している直貴に声をかけた。
「う、うん。じゃあ、とりあえず酒でももらおうかな」
直貴は少し目を泳がせながらそう答えた。
ワタシは“分かった”と頷くと、冷蔵庫から缶チューハイを出して直貴に渡した。
まだご飯もまだだったから、ワタシはシチューとサラダを作った。
直貴は缶チューハイを飲みながらワタシが料理を作っているのをチラチラ見ていた。
無言の時間。
響くのは野菜を切る音や鍋がグツグツ煮立つ音。
それだけでワタシは幸せだった。
直貴も緊張してるのかな?
正座の姿勢に落ち着くまで何度も体制を変えて、ざっと部屋を整理したり着替えたりしている間もソワソワしていた。
直貴といると、病気だってことを忘れている自分に気づく。
直貴が見つけてくれるまでどう死のうかとばかり考えていたのに、今はそんなことも思わない。
直貴の力は絶大だ。