2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- Twelve --**
「はい、どうぞ」
ワタシはできたてホヤホヤのシチューとサラダを直貴が座る机の前に出した。
「うまそ〜」
直貴はワタシにニッコリと笑いかけてから早速シチューに手を伸ばした。
「どう?」
「ふはい!」
――“うまい!”って言いたい?
直貴は熱々のジャガイモを舌で転がしながら言った。
「ちゃんとフーフーしないからじゃん、出していいから」
ワタシは直貴の少年みたいなかわいらしさに愛しさを感じながら、ティッシュを何枚か取って直貴の口元に当てた。
「なんちゃって!もう飲み込んだからヘーキ!」
心配するワタシをよそに、直貴はものすごい演技力を見せた。
「はっ?」
当然ワタシはそう言った。
「栞が作ってくれたもん粗末にしたら怒られる」
直貴はニコニコしながらワタシの心をキュンとさせることを言う。
――なんか夫婦みたいだな……。
ワタシは勝手にそう思ってしまった。