2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- Twelve --**
「ごちそうさま!うまかった〜」
直貴はシチューを2回もおかわりをして、サラダもペロッと食べてくれた。
「はい」
直貴の満足そうな笑顔を見ると、ワタシのほうまで笑顔になる。
食事の間も、チラチラと直貴が目の端に入るたびにワタシはうれしくて笑顔になっていた。
――いけない、また泣きそうになってきた……。
もしかしたらこれが最後かもと思うと、うれいのと悲しいのが順番に巡ってくる。
今は悲しいと思う順番が来てしまった。
「くつろいでていいから。お皿、下げるね」
ここで泣くわけにはいかない、直貴に心配させてはいけないと思って、ワタシはお皿を急いでキッチンに持っていった。
ジャージャーと水を勢いよく出して、ワタシは涙をこらえながらお皿を洗う。
「まだ冷蔵庫にチューハイあるからさ、好きなの出して飲んでいいよ?」
ワタシは直貴に背中を向けたままなるべく普通の声で言った。
「泣きたいスイッチ入っちゃったんだろ?」