2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- Two --**
「あ〜っ、はっはっ!いひっ、イヒッ……!」
――気持ち悪い……。
昨日の失礼な男で引っ越し屋さんの……名前なんて知りたくもないその人は、爆笑すると変な笑い方になるみたいだ。
ワタシはその声を聞いているうちにだんだん頭に血が上ってきて、昨日のマグマが噴火した。
「……き、金額はいくらでしょうか。お支払いしますので早く出ていってくださいませんか」
口をなるべく開けないように、歯と歯を奥のほうでギリギリさせながらワタシは言った。
マグマが噴火する時。
ワタシのマグマが噴火する時は、いつもこうだ。
全身に力が入って、グッと握った両手はプルプル震える。
「なに、聞こえないし」
まだケタケタ笑っているその人はワタシの様子なんて見もしない。
――あんたが笑ってるから聞こえないんじゃないの?
「ちょっと、ほんとに聞こえないんだけど」
その人は、ワタシが答えないのを見るとバカにしたような口振りでそう言った。