2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
 
**-- Thirteen --**



ワタシがはしゃぐのを見て、直貴はすごくうれしそうに笑ってくれた。


決まった時間に薬を飲まなくちゃいけないのは、いくら楽しいデートの最中でもお互いにしんみりした空気にはなったけど、それでもワタシたちはそんなことも吹っ飛ぶくらい楽しんだ。


遊園地の回転木馬に2人で乗って「恥ずかしい〜」なんて照れ合ったり。


観覧車に乗って「すご〜い!景色が最高だね〜」と言いながら遊園地中を一望したり。


ジェットコースターの一番前に陣取って「キャ〜」とか「オォ〜」とか「ワ〜」とか騒いだり。


1日で全部の乗り物を制覇したいと言うワタシに、直貴はもったいぶって「またいつか来よう」なんて言ったりもした。


楽しいことだらけでも、やっぱりワタシは“最後かもしれない”と思うと気持ちが焦ってしまう。


そんなワタシの気持ちを察して、直貴は“大丈夫だから”と優しく手を握ってくれる。


その手に守られていると“あと1年の命”だと沼の精に言われたことも忘れられそうなほどだった。
 

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