2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
 
**-- Thirteen --**



真冬の遊園地はすごく寒かったけど、その寒さに負けないくらいワタシたちは熱くはしゃいだ。


今までのすれ違いや意地を張って傷つけてしまったこと、素直になれなかったこと……。


そんな時間を埋めるかのように、ワタシたちはよく笑ってよく遊んだ。


遊園地の次の日は、今度は水族館に行った。


テレビでしか見たことのなかった白イルカやアザラシやラッコ。


ジュゴンの前で記念写真を撮ったりもした。


遊園地と水族館で撮った写真は、どれを取っても笑顔だらけ。


ワタシがこんなに自然に普通に笑える日が来るなんて、今までの人生からは想像もできないことだった。


まだ直貴には話していないけど、ワタシには心からの笑顔ができなくなったキッカケがある。


いつか直貴にもそのことを話したいと思っている。


同情してほしいんじゃなくて、ワタシの全部を理解してもらいたいから。


誰も信じられなかったけど、直貴だったら信じられる、そういう不思議な力が直貴にはあるんだよ。
 

< 284 / 613 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop