2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
 
**-- Thirteen --**



死と隣り合わせの幸せ。
いつ壊れてもおかしくないこの幸せを、ワタシはしっかり心に刻もう。


もしあの時、あの人と一緒にいようと決断していたら、今の幸せは感じることができなかった。


もしあの時、直貴と知り合わなかったら、ワタシはまだ“ゲーム”の中の人生しら知らなかった。


もしあの時、直貴がそばにいてくれなかったら、生きることをとっくに諦めていた。


この病気になってからのワタシの人生は、暗いだけじゃないと信じたい。


直貴がそばにいてくれる限り、ワタシの命は輝けるって思いたい。


そう。
直貴はワタシにとっての太陽。


前に直貴はワタシを月みたいだと言ってくれた。


だったらワタシは、直貴という太陽のおかげで輝ける月。


月と太陽。
静と動。


月のワタシは、太陽の直貴に恋をしている。


静のワタシは、動の直貴によって笑っていられる。


ねえ直貴、本当に今が人生で一番楽しい時だって胸を張って言えるくらいだよ……。
 

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