2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
 
**-- Thirteen --**



ワタシが仕事が休みのときにも、直貴は仕事があるときがある。


そういう会えないときの淋しさを埋めてくれるアイテム・ビデオカメラ。


我ながら、名案を閃いたと感激してしまった。


ろくでもない頭だとばかり思っていたけど、役に立つときもあるものね、なんて自分の頭を誉めてあげたい気分。


そうして日曜日の思い出の最後に“ビデオカメラを買いに行こう”と次の週末の予定を書いた。


このノートに予定を書くなんて思わなかったから、うれしくてその一文だけカラフルにペンで飾りつけたりした。


何ヵ月か先、この日のページを読み返したときにも、今と同じ気持ちでいれればいいなと思う。


命のカウントダウンはもう止めらないけど、せめて“いい思い出だなあ”と幸せな気持ちで読み返したい。


直貴のおかげなんだよ。
こんなに生きることが楽しいって思えるのは。


直貴、いつかきちんとお礼を言わせてね。


一生懸命に生きるワタシを、直貴の目に焼きつけていてね。
 

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