2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- Thirteen --**
「……ねえ直貴、直貴は本当にこれで……」
ワタシの涙声の問いかけは、むなしく暗い部屋にひっそりと吸い込まれるだけ。
「直貴、今幸せですか……?」
何度も何度も、そう問いかける。
ワタシは伸ばした片手を額に当てて、その手の下で固くまぶたを閉じて、声を殺して泣く……。
毎晩のように、ベッドに入るとそんなことをしてしまう。
直接は聞けない、直貴への質問。代わりに聞いてくれるのは、この暗闇だけ。
ワタシに残された時間のことも告白できない、一番聞きたいことがどうしても聞けない……。
要は、自分が一番かわいいみたいな考えなんだ。
自分が傷つくのが嫌、拒絶されるのが嫌、離れられるのが嫌……。
自分かわいさのあまり、ワタシはまだ直貴に嘘をつき続けている。
余命のこともそう。
過去のこともそう。
甘えすぎだってくらい甘えているのに、ワタシはまだ直貴に甘えようとしてるんだ。
こんな自分が情けなくて嫌になるよ……。